「1日8時間以上座っている人は早死にリスクが高い」「座りっぱなしはタバコ並みに体に悪い」──こうした話を目にしたことがある人は多いと思います。
ネットワークエンジニア(以下、NE)は、まさに座位時間が積み上がりやすい職種です。リモートでのコンフィグ投入、夜間切替、障害対応、そして業務後の資格勉強。気づけば一日中座っています。
ただ、世間でよく紹介される座りっぱなし対策は、NEの実務にそのまま当てはめると意外と使えないものが多いです。この記事では、在宅勤務のNEである私が試したうえで、実際に続けられている対策を2つに絞って紹介します。
「待ち時間に立てばいい」は半分しか正しくない
NEの一日には待ち時間が多くあります。show techの出力待ち、ファイル転送、機器のreload。「その間に立てばいい」と考えたくなりますが、やってみると分かります。
コマンド実行中は、意外と画面から目を離せません。
流れていく出力にエラーが混ざっていないか、転送が途中で止まっていないか──結局ずっと見ています。ここで無理に離席する習慣を作ろうとしても続きませんし、作業品質を落としてまでやることでもありません。
一方で、reload後の起動待ちだけは別です。数分間、完全に手が空きます。私はここを「立つ時間」に決めています。対象機器が多い日ほど自然と回数が稼げるので、タイマーで管理するより性に合っていました。
昇降デスクは「作業内容」で使い分ける
在宅の主軸は昇降デスクです。ただし一日中立つわけではなく、作業内容で切り替えています。
立つ作業:設計書のレビュー、ミーティング、ログの流し読み
座る作業:設定投入、手順書作成など、集中して手を動かすもの

設定投入まで立ってやろうとすると、集中が散って逆効果でした。「話す・読む系は立つ、手を動かす系は座る」と割り切ってからは、無理なく続いています。ミーティングが多い日なら、これだけで座位時間がかなり減ります。
高い昇降デスクは買わなくていい
昇降デスクというと数万円〜十数万円の高級モデルを想像するかもしれませんが、この使い方なら安いモデルで十分です。一日に何度も上げ下げするわけではなく、「会議の前に上げる、終わったら下げる」程度。昇降速度や静音性の差が効いてくる場面がほとんどありません。
私が使っているのはSANODESKのQS1です。FlexiSpotの姉妹ブランドのエントリーモデルで、電動・メモリー機能・メーカー3年保証と必要なものは揃っています。天板付きセット(140×60cm)なので、別途天板を用意する手間もありません。140cm幅ならノートPC+外部モニターを置いても余裕があります。
逆に言うと、メモリー機能だけは妥協しないほうがいいです。ボタン一つで立ち・座りの高さに移動できないと、切り替えが億劫になって使わなくなります。
常駐先では無理に工夫しない
客先常駐の場合、昇降デスクは使えませんし、フロアを歩き回るのも現実的ではありません。「遠くのトイレに行く」といった小技もよく紹介されますが、続かないうえに常駐先では不自然です。トイレは普段どおりの場所で十分です。
そもそも現場作業の日は、移動やラック作業で立つ時間が在宅より長くなります。座位時間の問題が大きいのは在宅の日なので、対策も在宅に寄せるのが合理的だと考えています。
まとめ:ルールは2つだけ
・reload・起動待ちは立つ(在宅でも現場でも)
・在宅のレビュー・ミーティングは昇降デスクで立つ
なお「運動しても座位のリスクは帳消しにできない」と言われることがありますが、近年の大規模な分析では、十分な運動をしていればリスクの多くは相殺されるという報告も出ています。過度に怖がる必要はありません。ただ、NEは繁忙期に運動時間を確保しづらい職種でもあります。だからこそ、業務の流れの中に「立つタイミング」を組み込んでおく価値があると感じています。
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