2年ほど前まで、月に7日くらいは深夜に叩き起こされる生活をしていました。障害対応です。フリーランスのネットワークエンジニア(以下、NE)として仕事を受けていると、そういう案件はどうしても回ってきます。
今はもう、その手の仕事を受けていません。健康のためにやめました。
睡眠改善の記事っていうと、だいたい「寝る前にスマホを見ない」「決まった時間に起きる」みたいな習慣の話になります。もちろんそれも大事なんですが、私の場合、一番効いたのは仕事の受け方そのものを変えたことでした。今回はその話と、そのあとに整えた寝室環境の話をします。
深夜対応が奪っていたのは、時間じゃなくて質だった
オンコールで起こされるのって、対応時間そのものより厄介なことがあるんですよね。
まず、いつ鳴るか分からないという緊張感で眠りが浅くなる。実際には鳴らない日でも、頭のどこかがスタンバイしている。これが地味に効いてきます。
そして一度起きて対応すると、そこで睡眠が分断される。仮に対応が30分で終わっても、そのあと寝つけない。アドレナリンが出た状態で「はい寝ます」とはならないわけです。結果、その日は実質的に睡眠が終わる。
翌日は当然パフォーマンスが落ちます。設定ミスをしやすくなるし、集中も続かない。ここが一番まずいところで、睡眠不足のNEは技術的にリスクなんですよね。眠い頭でルーターの設定を触るのが安全なわけがない。

月7日ということは、月の4分の1がその状態です。子どもが生まれてしばらくして、これは持続可能じゃないなと思いました。
もう一つ大きかったのが、家族と生活リズムが合わなくなることです。深夜に起きて対応すれば、当然その分どこかで寝る。昼近くまで寝ていたり、日中に仮眠を取ったりしていると、家族が動いている時間と自分が動いている時間がずれていく。子どもが起きている時間に自分が寝ている、みたいな日が出てくるわけです。
睡眠の質もそうですが、これはもっと単純に、一緒にいられる時間が減るということでした。
仕事の受け方を変えた
やったことはシンプルで、深夜対応が前提の案件を受けるのをやめただけです。
フリーランスだからできた判断だとは思います。会社員だと当番制から抜けるのは簡単じゃない。ただ、フリーランスはフリーランスで「断ったら次がないかも」という不安があるので、これはこれで勇気が要りました。
結果どうだったかというと、単価の高い案件をいくつか手放したことにはなります。でも、日中のパフォーマンスが上がった分、こなせる仕事の量と質が上がった。トータルで見れば損はしていないというのが実感です。何より、朝起きたときの体が全然違う。
そして家族と生活時間が揃いました。夜は一緒に寝て、朝は一緒に起きる。当たり前のことなんですが、深夜対応をやっていた頃はこれができていなかった。単価だけで比べたら手放した金額のほうが大きいのかもしれませんが、これは取り返しがつかない類の時間なので。
体を仕事道具として見るなら、これもデスクワーカーの体への投資の一種だったのかなと思っています。お金を払うんじゃなくて、案件を手放すという形の投資。
環境で整えたこと
働き方を変えたうえで、寝室の環境にも手を入れました。ここからはモノの話です。
遮光カーテン:勝手に起きてしまう問題を潰す
これは必須だと思っています。私の場合、朝、目覚ましより先に光で起きてしまうことがよくありました。夏場は特にひどい。5時前に部屋が明るくなって、そこで目が覚めてしまう。
人間の体は光で覚醒するようにできているので、これはもう意志の力でどうにかなる話じゃないんですよね。物理的に光を遮るしかない。
選ぶときの注意点として、安すぎるものは避けた方がいいと思います。遮光カーテンには等級があって、遮光1級でも「1級の中でどのくらい」で差があります。あと意外と重要なのがサイズで、窓より少し大きめのものを選ばないと、端から光が漏れます。カーテンレールの上部から漏れることもある。
私は最初、値段だけ見て安いものを買って失敗しました。結局買い直しています。遮光性とサイズで値段が変わる商品なので、ここはケチらない方がいいところかなと。
枕:2万円の高機能枕から、33,000円のフルオーダーへ
枕は遠回りをしました。
最初に買ったのがエアウィーヴのピロー スタンダードで、2万円ちょっと。これはこれで良い枕です。中の調整シートを抜き差しして高さを変えられるし、中材まで丸洗いできるので清潔に保てる。通気性がよくて頭が蒸れにくいのも夏場はありがたい。
ただ、自分の首のカーブに完璧に合っているかというと、最後まで少し「惜しい」感じが残りました。調整はできるんですが、シートの厚み単位でしか変えられないので、その中間が欲しくなる。
それで最終的に行き着いたのが、オーダーメイド枕専門店のピロースタンドで作ったフルオーダーの枕です。33,000円。店舗で実際に首の形を測って、その場で高さを調整して作ってもらいます。首周りのすっきりした服装で来てくださいと案内があるくらい、ちゃんと測るんですよね。
これはもう、はっきり良かったです。既製品で感じていた「惜しい」がなくなった。あと購入後も高さ調整のメンテナンスをしてもらえるので、体型が変わっても合わせ直せる。
順番としては、まず2万円クラスの調整できる枕を試してみて、それでも合わなければオーダーメイド、という進み方でいいと思います。いきなり33,000円は勇気が要るし、既製品で満足できる人もいるはずなので。
子どもが寝る時間に、部屋の光を全部落とす
これは意図してやったというより、結果的に効いたことです。
子どもを寝かしつける時間になると、家中の電気を消して間接照明だけにしています。もともとは子どもが寝やすいようにという理由でしたが、これをやると自分の体も一緒に寝る準備に入るんですよね。
天井の照明って、思っている以上に明るい。それを消して、床や壁を照らす低い位置の光だけにすると、部屋の雰囲気が完全に変わります。そこから急に「さあ仕事の続きを」という気分にはならない。強制的に一日が終わる感じになります。
うちで使っているものは妻が選んだので詳細なスペックまでは把握していないんですが、床置きの縦型フロアライトです。この手のものは1万円しないくらいの価格帯で、調光・調色ができてリモコンが付いているものが選べます。明るさを落とせるかどうかは結構重要で、寝る前は一番暗い設定にしています。
家族の生活リズムに合わせた結果、自分の睡眠も整ったというのは、ちょっと予想外の副産物でした。
正直、まだ解決できていないこと
ここまで書いておいてなんですが、寝る前の画面時間は全然コントロールできていません。
子どもが寝たあとの時間が、実質的に自分の自由時間になるんですよね。そこでブログを書いたり、気になっていた技術記事を読んだり、GitHubを眺めたりしてしまう。気づくと1時、2時。
光を落として寝る準備ができた部屋で、いちばん明るいものを顔の30cm前に置いているわけです。矛盾しているのは自分でも分かっています。
ブルーライトカットメガネはかけていて、これは目の疲れ対策の記事でも書いたとおり目の疲労には効いている実感があります。ただ、睡眠への効果でいうと、問題は光そのものより脳が興奮してしまうことな気がしていて。技術記事を読んで「なるほど」となっている状態は、どう考えても入眠モードじゃない。
ここはまだ模索中です。解決したら別で書きます。
気になっているもの:光で起こす目覚まし
遮光カーテンで朝の光を完全に遮ったことで、逆に「起きるための光」が必要かもしれないと思うようになりました。
光目覚まし時計というジャンルがあって、設定時刻の少し前から徐々に部屋を明るくして、自然に目覚めさせるという製品です。音で叩き起こされるより体への負担が少ないとされています。
まだ買っていないので使用感は書けません。ただ、遮光を徹底した人ほど相性が良さそうだなと思って、次に試すならこれかなと考えています。
まとめ:環境より先に、構造を変えた話
睡眠の記事を書くつもりが、半分は働き方の話になりました。でも、私の実感としてはその順番が正しかったなと思っています。
どんなに良い枕を買っても、月7日叩き起こされる生活ならたぶん意味がなかった。逆に、深夜対応をやめたうえで環境を整えたら、ちゃんと効果が出た。構造を変えてから、環境を整える。この順番だったなと。

体の不調全般については8時間PC作業するエンジニアが体を壊さないためにやっていることにまとめてあるので、目や肩腰のほうが気になる人はそちらもどうぞ。
深夜対応が当たり前になっている人は、一度「これ、いつまで続けられるんだっけ」と考えてみてもいいかもしれません。私は2年前にそう思って、やめました。