ネットワークエンジニアは、荷物が多い。大事なものも多い。
PC、コンソールケーブル、各種テスター、現場の入館証……。仕事の荷物は減らせない。だからせめて、私物はミニマルにしたい。これは子育て世代の人にも、誰にでも当てはまることかもしれない。
だからこそ、僕が実際に使っているものをおすすめしたい。ネットワークエンジニア(以下、NE)として「なくすと詰む物」を毎日持ち歩く僕が、鍵・財布・バッグにそれぞれ付けている紛失防止タグの話だ。
結論から言うと、選んだのはAppleのAirTagではなく、UGREEN FineTrackというシリーズを3つ、用途ごとに使い分けている。
なぜ僕はAirTagを選ばなかったのか
先に言っておくと、AirTagが買えて、生活に合う人はそれでいいと思う。純正の安心感は本物だ。ただ、僕には当てはまらなかった。理由は3つある。
① ミニマムな財布を使っているから。
僕は普段、カードだけを差した薄い財布を使っている。ここにAirTagを入れようとすると、専用のカードケースやホルダーを別途買う必要があり、その分だけ厚みが出る。せっかく財布を薄くしたのに、タグのために膨らむのは本末転倒だ。財布のスリム化についてはSecrid miniwalletのレビュー記事も参考にしてほしい。
② 電池・充電の手間が面倒だから。
以前使っていた別メーカーの電池式タグは、電池を交換してから1ヶ月ほどで「電池残量が少なくなっています」の通知が来た。コイン電池を買い置きして、小さなフタを開けて入れ替えて……この繰り返しが地味にストレスだった。数年前の話なので今の製品は改善されているかもしれないが、「電池の世話をする道具」だと、忘れ物を防ぐ以前に道具自体の管理を忘れる。
※ 体感ベースの記憶なので、期間はおおよそです。
③ コストと手間が積み上がるから。
AirTag(第2世代)は1個4,980円。鍵にも財布にもバッグにも……と付けたくなると、本体代に加えてホルダー代までかかる。複数使いを前提にすると、この差は地味に効いてくる。
この3つを一気に解決してくれたのが、UGREEN FineTrackだった。
結論:僕はこの3つを使い分けている
先に全体像を出しておく。物の形と使い方に合わせて、シリーズ内で3モデルを割り振っているだけだ。

財布に:FineTrack Slim(1.7mmカード型・充電式)
鍵・小物に:FineTrack Mini 2(タグ型・約7年交換不要・110dB)
バッグ・スーツケースに:FineTrack 2(ボール型・ストラップ付き・約7年)
そもそもUGREEN FineTrackとは
UGREEN FineTrackは、Appleの「探す」ネットワークに対応した紛失防止タグだ。いわゆる「公式認証」は「Work with Apple Find My」認証のことで、専用アプリを入れる必要がなく、iPhoneやiPad標準の「探す」アプリにそのまま登録できる。世界中のAppleデバイスのネットワークを使うので、手元から離れても最後に確認された場所を追える。
ただし注意点がある。iOS専用で、Androidには対応しない(Android向けはGoogle Find Hub対応の別モデルが用意されている)。macOSは位置表示のみで、セットアップはiPhone側で行う。iPhoneユーザーであることが大前提の製品だ。
そして、AirTagとの最大の違いがここだ。FineTrackはUWBを搭載していないため、「正確な場所を見つける」機能(画面に矢印で方向と距離を出すあれ)が使えない。
スペック表だけ見ると、これは大きな差に見える。でも、実際に使う僕の結論はこうだ ——日本ではこの差はほとんど問題にならない。
理由は、日本ではAirTag第2世代の拡張UWBやApple Watchでの精密検索が、国内の電波規制の関係で制限されているからだ。Appleのサポートページにも、日本ではこの機能が利用できない旨が明記されている。つまり、UGREENで「唯一失う機能」は、そもそも日本のAirTagでもフルには使えない。
家の中や立ち寄り先での「どこ置いた?」は、地図でだいたいの場所を把握してから音を鳴らせば、たいてい見つかる。方向矢印がなくて困った場面は、僕の使い方ではまだ一度もない。
※ UWBおよび国内規制の扱いは、記事更新時点のAppleおよびメーカー公式情報に基づきます。
用途別レビュー:どれを何に付けているか
財布に:FineTrack Slim(1.7mmカード型・充電式)
厚さ1.7mm、クレジットカードとほぼ同じ薄さのカード型。これを財布のカードポケットに1枚差している。ミニマム財布でも膨らまないのが決め手だった。
電源は充電式で、付属のマグネットケーブルで充電する。1回のフル充電で最長約12ヶ月持つので、実質「年に1回ケーブルを挿すだけ」。コイン電池を買いに走る必要がないのがありがたい。ブザーは75〜80dB、防水防塵はIP68。
音量は控えめなので、静かな室内で「財布どこ?」を探す用途に向いている。雑踏の中でバッグの底から探すには少し物足りないが、財布は基本的に手元管理なので実用上は困っていない。
そもそも財布自体をどう選び、どう軽くするか —— という話は、別の記事でSecrid miniwalletについて詳しくレビューした。

鍵・小物に:FineTrack Mini 2(タグ型・約7年交換不要・110dB)
家の鍵に付けているのがこれ。旧モデルのMiniは18ヶ月の電池交換式だったが、Mini 2は超長寿命バッテリーになり、約7年間は電池交換不要。②で書いた「電池の世話問題」から完全に解放された。
ブザーは110dBと大音量で、AirTag同等かそれ以上。バッグの底に鍵ごと沈んでいても聞こえる。蓄光デザインなので、暗い玄関でも視認しやすいのも地味に効く。IP68防水防塵。
朝の「鍵どこ行った」を、スマホから音を鳴らして数秒で解決できる。出勤前の一番慌ただしい時間に効くので、体感の価値が一番高いのはこのモデルかもしれない。

バッグ・スーツケースに:FineTrack 2(ボール型・ストラップ付き・約7年)
出張の多い僕が、バッグやスーツケースに付けているのがボール型のFineTrack 2。ストラップが付いているので、ファスナーの持ち手やバッグのループにそのまま装着できる。別売りアクセサリーを買い足さなくていい。
こちらも約7年充電不要のバッテリーで、付けたら基本放置。出張先で「預けた荷物、今どこ?」をなんとなく把握できる安心感は、移動が多い人ほど効く。

買う前に知ってほしい、3つの注意点
良いことばかり書いても信用されないので、弱点と落とし穴も先に共有しておく。
1. iOS専用。Androidでは使えない。
これは仕様なので、Androidメインの人は別系統のモデル(Google Find Hub対応版)を選ぶ必要がある。iPhoneユーザー向けの製品と割り切ろう。
2. Slimの音量は控えめ(75〜80dB)。
Mini 2やFineTrack 2の110dBに比べると、Slimは静かめだ。雑踏の中で音だけを頼りに探す用途なら、Slimより110dBのモデルの方が安心できる。
3. 「Slim」は名前の似た別製品が並んでいる。買い間違いに注意。
ここが一番の落とし穴だ。UGREENには、僕が使っている充電式のSlimのほかに、名前がそっくりな「Slim Duo」(Android/iOS両対応・封止バッテリー)など、電池方式や対応OSの異なる派生モデルが存在する。スペックはモデルで違うので、購入時は商品ページで「充電式かどうか」「iOS専用かどうか」を必ず確認してほしい。この記事のリンクは、僕が実際に使っているモデルに合わせている。
※ 価格・仕様は変動します。最新の内容は各販売ページでご確認ください。
こんな人におすすめ/AirTagのままでいい人
UGREEN FineTrackが向いている人
- iPhoneユーザーで、複数の持ち物にタグを付けたい
- ミニマムな財布を膨らませたくない(→ カード型のSlim)
- 電池交換やコイン電池の買い置きが面倒(→ 約7年放置のMini 2 / FineTrack 2、年1充電のSlim)
- AirTagの半額前後のコストで揃えたい
AirTagのままでいい人
- 「正確な場所を見つける」機能に強くこだわる(ただし日本では制限あり)
- 純正であること自体に価値を感じる
- Androidユーザー(そもそもFineTrackのiOSモデルは対象外)
僕の場合は、荷物が多くて、大事な物も多くて、財布は薄くしたくて、電池の世話はしたくなかった。その全部に答えてくれたのがUGREEN FineTrackだった、というだけの話だ。
まとめ
荷物の多いネットワークエンジニアにとって、紛失防止タグは「保険」ではなく「日常の時短ツール」だ。鍵を探す数分、出張先での不安、財布をなくした時の絶望 —— それらを、物の形に合わせた3つのタグで軽くしている。
- 財布に:FineTrack Slim(薄さ最優先・充電式)
- 鍵に:FineTrack Mini 2(約7年放置・110dB)
- バッグに:FineTrack 2(ストラップ付き・約7年)
AirTagが合う人はそれでいい。でも、薄い財布・電池の手間・複数使いのコストが引っかかっている人には、一度この選択肢を見てほしい。