「私はロボットではありません」に注意|業務PCで引っかからないためのClickFix対策を無害なデモで体験

Xで、偽の「私はロボットではありません」画面から感染するClickFixという手口が話題になっていました。

https://x.com/echode_dev/status/2117202696860266749

仕組みが気になったので、無害なデモページを作ってみました。業務PCでうっかり引っかからないように、どこで止めればいいかもまとめます。

なお、自分は引っかかったことがなく、本物の攻撃ページも確認していません。手口の説明は、ベンダーのレポートやニュースなどの公開情報をまとめたものです。

ClickFixとは

偽の確認画面で、利用者自身にコマンドを実行させる手口です。

  1. 「私はロボットではありません」のような確認画面が出る
  2. チェックを押すと、裏でクリップボードにコマンドがコピーされる
  3. 「Win+Rを押して貼り付け、Enter」と案内される
  4. 従うと、マルウェアが実行される

デモで体験してみる

下のチェックを押して、欄に貼り付けるだけです。入るのは無害な文字列だけで、外部への通信やコマンドの実行はしません。

検証用デモ・完全に無害(外部通信やコマンドの実行はしません)
手順1チェックを押す

見た目上は、チェックが付く以外に何も起きません。

手順2貼り付けて中身を見る

本物の攻撃では、ここで「Win+Rを押してCtrl+Vで貼り付け、Enter」と案内されます。

このデモでは、下の欄に貼り付けるだけです。Ctrl+V(Macは⌘+V、スマホは長押しでペースト)。

手順3何が入っていたかを確かめる

貼り付けると、ここに解説が出ます。

チェック後に貼り付けると、画面に表示されていなかった文字列が出てくる

試すとわかりますが、チェックを押しても画面には何も出ません。それでも、クリップボードの中身はもう書き換わっています。

どこまでなら大丈夫?

ClickFixの場合、Enterを押すまでは実行されません。

段階状態
ページを開いた基本的にはまだ大丈夫。すぐ閉じる
チェックを押したクリップボードに入っただけ。まだ大丈夫
Win+Rで貼り付けたまだ実行されていない。Enterを押さずに閉じる
Enterを押した実行された可能性が高い

Enterを押してしまったら、自分で何とかしようとせず、LANケーブルやWi-Fiを切って、すぐ情シスに連絡してください。ブラウザに保存したパスワードやログイン状態が、数秒で抜かれることがあるためです。

なお、偽広告から入ったサイトで、ダウンロードしたファイルを開いてしまった場合は別の話です。その場合も同じく情シスに連絡しましょう。

スマホは大丈夫?

ClickFixはPCを狙った手口です。スマホにはWin+Rやターミナルのような「貼り付けて実行する場所」がないので、同じ流れでは感染しません。

ただし、スマホで同じような偽画面を開くと、偽の警告や詐欺サイトに飛ばされることはあります。どの端末でも「画面の指示に従わず閉じる」は同じです。

業務PCで気をつけること

一番困るのは業務PCで引っかかることです。業務PCのブラウザには、社内システムやクラウドサービスのログイン状態が残っているからです。

  • Webページから「貼り付けて実行」と言われたら閉じる。正規のサービスがWin+RやPowerShellを使わせることはまずない
  • ソフトは自分で検索して入れない。会社の配布手順や公式サイトのブックマークから入れる
  • Enterを押してしまったら、隠さずすぐ報告。早いほど被害を小さくできる

情シス側では、一般利用者のWin+Rを無効化する、PowerShellの実行を制限する、FortiGateなどのDNSフィルタで新規登録ドメインを止める、といった仕組みでの対策も有効です。

まとめ

覚えておくのは1つだけです。「貼り付けて実行」と言われたら閉じる。押してしまったらすぐ報告。

デモページは、職場で注意喚起するときにも使ってみてください。

この記事は公開情報をまとめたもので、詳しい方から見ると正確でないところがあるかもしれません。意見や指摘があれば、Xの@ponflogまで気軽に教えてください。

PR