CCNAの参考書として定番の「白本」と「黒本」。どちらも良書ですが、2冊とも買う必要があるとは限りません。買う順番を間違えると、片方が机の肥やしになります。
この記事では、現役のネットワークエンジニア(以下、NE)として実際に両方を使った立場から、あなたの状況別に「まずどっちを買うべきか」の結論を出します。学習フェーズごとの使い分け、そして最新版・中古・Kindleを選ぶときの注意点まで、購入前に知っておきたいことをまとめました。
先に結論だけ言うと、ネットワーク未経験なら白本、インフラ運用の実務経験があるなら黒本です。理由は次のセクションで説明します。
結論:CCNAの白本と黒本、どっちを買うべきか
状況別の結論を表にまとめました。自分に当てはまる行だけ読めば十分です。
| あなたの状況 | まず買う本 | 理由 | 2冊目 |
|---|---|---|---|
| ネットワーク完全未経験 | 白本 | 用語と全体像がないと、黒本の問題文そのものが読めない | 白本を1周してから黒本 |
| インフラ運用の実務経験あり | 黒本 | 用語は既に知っているので、出題形式に慣れるのが最短 | 苦手分野だけ白本 |
| 過去に受験して不合格 | 黒本 | 不合格の原因は知識不足より出題パターンの穴であることが多い | 白本は辞書として使う |
| 時間に余裕がある(学生・転職準備中) | 2冊同時 | 章ごとに交互学習すると最も定着する | ― |
| 予算を1冊に絞りたい | 白本 | 問題演習はPing-tの無料版である程度代替できる | ― |
それぞれの本の詳しいレビューは記事後半に書いていますが、もう買う本が決まっている方はこちらからどうぞ。
なぜ白本と黒本の2冊で合格できるのか
学習フェーズ別|白本と黒本をいつ・どう使うか
白本と黒本は「どっちが優れているか」ではなく、使うタイミングが違うだけです。標準的な3か月プランに当てはめると、次のようになります。
| フェーズ | 期間の目安 | 主な教材 | 白本の使い方 | 黒本の使い方 |
|---|---|---|---|---|
| ①インプット期 | 〜4週目 | 白本 | 通読1周。章末問題は飛ばしてよい | まだ触らない |
| ②演習期 | 4〜8週目 | 黒本 | 間違えた分野の該当章だけ読み返す | 全問2周、正答率90%を目標 |
| ③実機期 | 6〜9週目 | Packet Tracer | コマンドの章を参照しながら実行 | ― |
| ④直前期 | 試験1週間前 | 黒本+Web模試 | 苦手ページに付箋を貼って確認 | 模試で時間配分を確認 |
ポイントは、①のインプット期に黒本を開かないことです。基礎がない状態で問題集を解いても、解説の日本語が理解できずに時間を溶かします。
CCNA白本(完全ガイド)とは|特徴と向いている人
CCNAの参考書と言えばこれ。業界では「白本」と呼ばれていて、CCNA受験者の大半が持っています。
何がいいかというと、とにかく図解が多い。ネットワークって目に見えないものを扱うので、文字だけだと「何言ってんだ?」ってなるんですよ。白本はそこを分かっていて、ほぼ全ページに図や表が入っています。
私もCCNAの想定問題を作るときに改めて読み返したんですが、今見ても「ああ、初学者にはこの説明がいいよな」って思う箇所がたくさんありました。
使い方のコツ
1周目は「全体を流し読み」でOKです。完璧に理解しようとすると最初の3章くらいで挫折します。分からないところはマーカーだけ引いて、とにかく最後まで読み切ってください。
2周目で「理解」を深める。1周目で分からなかった箇所が、後ろの章を読んだことで「あ、そういうことか」と繋がる瞬間があります。
3周目は苦手な章だけ重点的に。ここまで来たら問題集と並行してOKです。
白本の章ごとのペース配分
「1日何ページ読めばいいの?」と聞かれることが多いので、目安を書いておきます。白本は全部で約10章ありますが、章によって重さが全然違います。
サクッと読める章(各1〜2日):ネットワーク基礎、OSI参照モデル、ワイヤレス、自動化。概念を理解するだけなので、そこまで時間はかからない。
じっくり読むべき章(各3〜5日):IPアドレス・サブネット計算、VLAN ・STP、ルーティング ・OSPF、ACL ・NAT。ここがCCNAの核心。特にサブネット計算は「読んで理解する」だけじゃなくて、自分で計算する練習が必要なので時間がかかります。
1周目はざっくり3〜4週間で読み切るイメージ。完璧に理解しようとして1章に1週間かけると、後ろの章を読む前にモチベーションが消えます。分からなくてもマーカーだけ引いて進んでください。
CCNA黒本(徹底攻略テキスト)とは|特徴と向いている人
白本とセットで使う問題集。こちらは「黒本」と呼ばれています。
白本と同じシリーズなので、章立てがほぼ対応しています。「白本の第3章を読んだら、黒本の第3章を解く」という交互学習ができるのが最大のメリット。
問題の難易度は本番よりちょっと易しめかなという印象ですが、基礎固めにはちょうどいいです。これを全問正解できるようになったら、本番でも戦えるレベルです。
使い方のコツ
1回目で間違えた問題にマークを付ける。2回目はマーク付きの問題だけ解く。3回連続正解できたらマークを外す。最終的にマークがゼロになれば合格圏内です。
CCNA黒本と白本の違いを徹底比較
この2冊は同時並行で使うのが一番効果的です。
やり方はシンプル。白本の第1章を読む → 黒本の第1章を解く → 間違えたところを白本に戻って確認 → 白本の第2章に進む。このループを繰り返すだけ。
「白本を全部読み終わってから黒本に取りかかる」やり方だと、最初の章の内容を忘れちゃうんですよね。交互にやることで、インプットとアウトプットのサイクルが短くなって、記憶の定着率が段違いに上がります。
2周目以降は、黒本で間違えた問題だけ解きます。3回連続正解できたらその問題は卒業。最終的に間違える問題がゼロになったら、合格圏内です。
3冊目を買うなら何がいい?
「2冊だけで本当に大丈夫?」と不安な方もいると思います。
正直、白本と黒本をちゃんとやり込めば足ります。でもどうしてもう1冊追加するなら、Ping-t(Webの問題演習サイト)の有料プランか、当サイトの無料問題集を併用するのがおすすめです。
当サイトのCCNA想定問題集は、白本・黒本とは別の切り口でオリジナル問題を作っています。「黒本の答えを覚えちゃった」という段階で使うと、本当に理解できているかのチェックになります。
おすすめしない参考書の特徴
せっかくなので、「これは避けた方がいい」という参考書の特徴も書いておきます。
発行年が古いもの。 CCNAは2020年に大幅改訂されて、試験範囲がガラッと変わっています。それ以前の参考書を買うと、自動化やワイヤレスの範囲がまるごと抜けていたりします。必ず「200-301 CCNA」対応と書かれているものを選んでください。
分厚すぎるもの。 700ページ超えの辞書みたいな本は、通読に向いていません。辞書的に使うならいいですが、最初の1冊には白本くらいのボリュームがちょうどいいです。
日本語が分かりにくいもの。 海外の参考書を翻訳したものは、直訳っぽくて読みにくいことがあります。白本は日本人著者が書いているので、そのあたりのストレスがないです。
参考書だけで合格できる?
できます。ただし、参考書+問題集+Packet Tracerの3点セットが前提です。
参考書だけ読んでも、コマンドを打つ練習をしていないとシミュレーション問題で詰みます。Packet Tracerは無料なので、必ず併用してください。
参考書で覚えたコマンドの確認用にチートシートも作っています。
学習全体の進め方は以下の記事にまとめています。
買う前に確認|最新版・中古・Kindleの注意点
最新版かどうかは「対応試験」の表記で確認する
CCNAは2020年に大幅改訂されています。表紙に「200-301」の記載があるかどうかを必ず確認してください。それ以前の版では、自動化やワイヤレスの範囲がまるごと抜けています。改訂版が出ている場合は、増刷ではなく版そのものが新しいものを選ぶのが安全です。
中古はおすすめしない
中古は安く手に入りますが、古い版が混ざっているリスクと、Web模試などの特典が使用済みになっているリスクがあります。特典のシリアルコードは1回しか使えないものが多く、中古で買うと事実上使えません。数千円の差で試験範囲を落とすのは割に合わないので、新品を推奨します。
Kindle版は「持ち運び用の2冊目」として優秀
どちらも分厚く重いので、通勤中に読むならKindle版が便利です。ただし黒本のKindle版はスマホだと問題と解説の行き来がしづらいという声があります。メイン教材は紙、サブでKindle、という使い分けが現実的です。
参考書に関するよくある質問
Q. 白本と黒本、どっちを先に買えばいい?
白本が先です。黒本は問題集なので、基礎知識がない状態で解いても意味が分かりません。白本を1周読んでから黒本を始めるのがベスト。予算に余裕があるなら2冊同時に買って、章ごとの交互学習をおすすめします。
Q. 中古の参考書でも大丈夫?
「200-301 CCNA」対応の版なら中古でもOK。ただし2020年改訂前の旧版(ICNDやR&S対応のもの)は試験範囲がまったく違うので絶対に買わないでください。Amazonで中古を買うときは、必ず「200-301」の表記を確認してください。
Q. 英語の参考書(OCG)は必要?
Cisco公式のOCG(Official Cert Guide)は英語が読める人には最強の教材ですが、1,000ページ超えの鈍器みたいな本なので、日本語の白本で十分合格できます。英語が得意で、かつCCNP以降も見据えている方なら挑戦する価値はあります。
Q. 参考書だけで合格できる?
参考書+問題集+Packet Tracerの3点セットが前提です。参考書だけだとシミュレーション問題に対応できません。Packet Tracerは無料なので必ず併用してください。
👉 関連記事:CCNA独学ロードマップ2026年版で全体像を確認する
まとめ
CCNAの参考書は「白本+黒本」の2冊で十分。これが私の結論です。
あれこれ迷っている時間がもったいないので、今日この2冊をポチって、明日から1ページ目を開いてください。それが合格への最短ルートです。