最近、Windowsの暗号化機能「BitLocker(デバイスの暗号化)」界隈が、少しざわついているのをご存知でしょうか?
2025年末から2026年にかけて、「勝手に暗号化されてPCから締め出された」「SSDの速度が大幅に低下している」といった声が相次ぎ、さらにはプライバシーやセキュリティ上の懸念まで飛び出すなど、なかなかに大変な事態になっています。
「BitLockerなんて企業が使う難しいセキュリティ機能でしょ?自分には関係ないよ」と思っている方。実は今のWindows環境では、一般のゲーマーやクリエイターにこそ直撃する問題になっています。
今回は、今何が起きているのか、そして自分のPCが影響を受けていないか確認する超簡単な手順を解説します。
そもそも今、BitLockerで何が起きているのか?
現在問題視されているのは、大きく分けて以下の4つです。
- プライバシーの懸念: Microsoftアカウントでサインインすると、暗号化の「回復キー」が自動でMicrosoftのクラウドに保存されます。直近の報道で、これが捜査機関等に引き渡されてPCのロックが解除されていた事例が発覚し、波紋を呼びました。
- セキュリティの脆弱性: 2026年3月、特定の条件を満たすとBitLockerの暗号化を突破できてしまう脆弱性(CVE-2025-48818)が発表されました。
- SSDの性能低下(最大45%): ソフトウェアベースの暗号化が有効になっていると、SSDの読み書き速度が最大45%も落ちてしまうことが判明しています。
- 突然の締め出しトラブル: Windows Updateなどのタイミングで突然「回復キー」を求められ、キーの場所を知らない一般ユーザーが自分のPCに二度とアクセスできなくなる悲劇が多発しています。
「自分は使っていない」は危険!初期設定の罠
一番恐ろしいのは、**「ユーザーが自分で設定していなくても、初期設定の段階で勝手にオンになっている」**という点です。
Windows 11(Homeエディション含む)などでは「デバイスの暗号化」というマイルドな名称で、バックグラウンドでこっそり機能しています。「気づかないうちに暗号化され、鍵はクラウドにあり、SSDの本来のスピードが出ていない」という状態に陥っている人が少なくありません。
超簡単!今すぐできる自分のPCのチェック方法
自分のPCが今どうなっているか、数秒で確認できます。
確認手順:Cドライブのアイコンを見るだけ
- エクスプローラー(フォルダのアイコン)を開く
- 左側のメニューから「PC」を選択
- 「Windows (C:)」ドライブのアイコンをチェック
- 南京錠(カギ)のマークがない場合: 暗号化はオフです!速度低下のペナルティもなく、締め出しリスクもありません。
- 南京錠(カギ)のマークがある場合: 知らない間に暗号化がオンになっています。
※念のため、スタートボタン右クリック >「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「デバイスの暗号化」でもオン/オフの確認が可能です。
もし「オン」になっていたらどうする?
もし南京錠マークがついていた場合、取るべき道は2つです。
- 暗号化を「オフ(解除)」にする PCを持ち歩くことがなく、物理的な盗難リスクが低い据え置きのデスクトップPC(ゲーミングPCなど)であれば、思い切ってオフにするのがおすすめです。SSD本来のパフォーマンスを取り戻せます。
- 回復キーを安全な場所に保存する ノートPCなどで持ち歩く機会が多く、セキュリティを維持したい場合は、Microsoftアカウントにアクセスし「BitLocker回復キー」を印刷するか、USBメモリなどに保存しておきましょう。
まとめ
BitLocker(デバイスの暗号化)自体は、PCの紛失・盗難時にデータを守るための重要な技術です。しかし、現在のWindowsの仕様では、意図せず有効になり、パフォーマンス低下や締め出しのデメリットだけを享受してしまっているユーザーが多いのも事実です。
特に大容量のSSDを搭載したデスクトップ環境で、写真の現像や動画編集、ゲームなど、ストレージ速度がモノを言う用途で使っている場合は、一度Cドライブのアイコンをチェックしてみることを強くおすすめします!
【具体的な手順】
①暗号化を「オフ(解除)」にして速度低下を防ぐ手順
※デスクトップPCなど、持ち出しによる紛失・盗難リスクが低い環境におすすめです。
- スタートボタンを右クリックし、**「設定」**を開きます。
- 左側のメニューから**「プライバシーとセキュリティ」**を選択します。
- セキュリティの項目にある**「デバイスの暗号化」**(または「BitLocker ドライブ暗号化」)をクリックします。
- 「デバイスの暗号化」のスイッチを**「オフ」**にします。
- 「暗号化の解除を続行しますか?」という確認画面が出るので、**「オフにする」**をクリックします。
💡 注意ポイント 暗号化の解除(復号化)には、ドライブの容量や保存されているデータ量によって、数十分から数時間かかる場合があります。バックグラウンドで処理されるため普段通りPCの操作は可能ですが、処理のバーが最後まで進んで完全に終わるまでは、PCの電源を切らないようにしてください。
②今のまま使いつつ「回復キー」を安全に確保する手順
※ノートPCなど、セキュリティを維持したまま使いたい環境向けです。
突然PCから締め出された時の「保険」として、48桁の回復キーを今すぐ確認してバックアップしておきましょう。
- スマホやPCのブラウザから、Microsoftアカウントの回復キー確認ページ にアクセスします。
- 対象のPCに紐づいているMicrosoftアカウントでサインインします。
- 登録されているデバイス(PC名)の一覧と、それぞれの**48桁の数字(回復キー)**が表示されます。
- この回復キーを、暗号化されているPC以外の場所に保存します。
- スマホのメモアプリにコピーしておく
- パスワード管理アプリに登録する
- 印刷して書類として保管する
- USBメモリに保存する
⚠️ 絶対にやってはいけない保存方法 回復キーを「今使っているPCのデスクトップやCドライブ」にテキストファイルで保存するのはNGです。いざロック画面から締め出された際、そのファイルごと開けなくなり完全に詰んでしまいます。必ず「PC以外の場所」に保管してください。